白無垢への想い
白無垢のクリーニングのご相談がありました。
10月の結婚式で着用したいので、白無垢・掛下・襦袢・綿帽子をはじめ
小物類まで一式のクリーニングを希望されました。
クリーニングに加え、汚れないように防汚加工も検討されておりました。
弊社のスタッフがお伺いし、お預かりしてきたのですがその白無垢は新品ではなく、
レンタル業者様のものを購入されたものだとわかりました。
正直申しまして、なぜ黄変し、シミも目立っているものをご使用になるのか?
レンタルのほうがまだ良いのではないかと思っておりました。
しかし、それは考えが浅いことをお客様とメンテナンスのプランを話している時に気付かされました。
お客様はこの白無垢をはじめとした一式を一生の想い出にしたいと強く思われていたのです。
それが黄変した中古でも構わない、クリーニング代・加工代もいくらかかってもよいとお考えで、
式で着用したものを残すことに非常に強い思いを持たれていたのです。
この思いに私はとても心を動かされました。
そして、少しでもキレイにしてこの白無垢を送り出したいと考えるようになったのです。
お客様の思いは十人十色です。
その思いと実際の事柄を決定する決め手とはどのような存在なのでしょうか。
最近ではインターネットのレビューが重要視されます。
しかし、レビューが乱立し多種多様な意見もあり、
もの選びが難しくなってしまっていると感じることもあります。
お客様の想いに沿い、満足されることが重要なのではないでしょうか。
お客様の想いは想像のつかないものであったりもします。またお値段でもありません。
今回の白無垢のクリーニングの件からはそう考えさせられる出来事になりました。
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